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旅行は、決してホテルの一室だけで成り立つものではありません。
ダナンでの数日間の休暇の裏側には、息を合わせて動かなければならないサービスチェーン全体があります。旅行者を運ぶ航空便、旅程を組み立てる旅行会社、ゲストを迎えるホテル、各地点を結ぶ交通手段、食の体験をつくるレストラン、そしてゴルフ場、会議場、スパ、レジャー施設、地域のアクティビティが旅の残りを満たしていきます。
海外バイヤーが本当に買う必要があるのは、まさにそこです。ばらばらに並んだサービスではなく、完成されたひとつの旅なのです。
DITF 2026が通常のバイヤーとセラーの商談を超えた意味を持つ理由もここにあります。300を超えるセラー、150を超える海外バイヤー、400を超える国内バイヤーがひとつの商談ネットワークに集うとき、最大のチャンスは各社が自社商品を売ることだけではありません。チェーンを構成する多くの担い手が力を合わせ、市場に出せるだけの完成度を持つ商品をつくり出せることにあるのです。
ホテルは好立地と数百室の客室を備えているかもしれません。航空会社は増便できるかもしれません。ゴルフ場は良いティータイムを押さえているかもしれません。レストランは魅力的なメニューを揃えているかもしれません。
しかしバイヤーにとって、こうした個々の強みはまだひとつの商品にはなっていません。
たとえば韓国のツアーオペレーターは、もっと多くのことを知る必要があります。お客様が何日に到着するのか、どこに泊まるのか、どのコースでプレーするのか、移動にどれくらいかかるのか、ラウンド後に何を食べるのか、ゴルフをしない同行者は何をするのか、そしてプログラム全体が1泊、2泊と延泊したくなるほど魅力的かどうか、です。
MICEバイヤーも同じような課題を抱えています。彼らが尋ねるのはボールルームの収容人数だけではありません。団体全員が泊まれる客室が十分にあるか、空港送迎はどう手配されるか、ガラディナーはどこで行うのか、チームビルディングにはどんな独自性があるのか、そして会議の後に参加者が引き続き滞在を楽しんだり目的地を巡ったりできるのか、まで知る必要があります。
つまり、バイヤーが本当に評価しているのは、一社のサプライヤーの力だけではありません。
彼らが評価しているのは、目的地全体が連携して完成された旅をかたちにできる力です。
これは、ひとつの商品だけに強みがあるわけではないダナンのような目的地にとって、とりわけ重要です。
海は強みです。MICEも強みです。ゴルフ、ウェルネス、食、エンターテインメント、そしてホイアン–フエと結べることも、すべて強みです。
しかし、それぞれの要素が本当の力を発揮するのは、同じひとつの旅の中に組み込まれたときだけです。
4日間のビーチ休暇も、ゴルフのラウンド、ウェルネスプログラム、文化体験の行程を加えれば5日、6日に延びる可能性があります。MICE団体は、参加者が会議後も滞在すれば追加の客室泊数(ルームナイト)を生み出します。ウエディンググループは、挙式の前後にレストラン、交通、観光施設、体験サービスへ追加の売上をもたらします。
これが、ひとつのサービスを売ることと目的地全体の価値を売ることの違いです。
後者のモデルでは、売上は旅行者が眠る場所で止まりません。食べる、遊ぶ、移動する、集う、体験する場所へと広がっていきます。
航空路線は、市場が形成されるための最初の条件のひとつです。
しかし、航空便があるというだけでは、旅行者が来られるかどうかという問いに答えたにすぎません。
より重要な問いはこうです。到着した旅行者に、もっと長く滞在する理由が十分にあるか?
ここで、チェーン全体の役割がはっきりと見えてきます。
便利な航空路線があっても、目的地の商品が乏しければ、旅行者は数日しか滞在しないかもしれません。逆に、ビーチでの休暇がゴルフ、ウェルネス、食、レジャー、地域の体験と組み合わされれば、1便ごとにより多くのルームナイト、より多くのサービス利用、より高い消費額を生み出せます。
だからこそ、航空の価値を座席数だけで見るべきではありません。
より大きな価値は、1席が目的地で何泊の宿泊、何回の食事、何ラウンドのゴルフ、何枚の観光施設チケット、いくつの体験に変わるかにあります。
そのとき観光の成長は一社にとどまらず、エコシステム全体に行き渡ります。
MICEほど、サプライチェーン全体での協力の必要性をはっきり示すセグメントはありません。
数百人、数千人規模の団体を、一社だけで運営することはできません。
航空会社はアクセスを確保しなければなりません。ホテルは十分な客室を用意しなければなりません。会議場は技術的な要件を満たさなければなりません。輸送会社はスケジュールを正確にこなさなければなりません。レストラン、ガラ会場、チームビルディング、イベント後のアクティビティも、すべてひとつの計画に組み込む必要があります。
ひとつの歯車が狂うだけで、団体全体の体験に影響しかねません。
だからこそ、MICEバイヤーはホテルひとつ、コンベンションセンターひとつを選ぶわけではありません。
彼らが選ぶのは、目的地全体の運営力です。
DITFは、チェーンの中でそれぞれ異なる位置にいる事業者をひとつの商談空間に集めることで、非常に実践的な価値を生み出します。バイヤーは、ばらばらのパートナーを一社ずつ自力で探し回る必要がありません。ホテルも、自社の能力を超えるあらゆる要望に無理に応えようとする必要はありません。
関係者が一緒にソリューションをつくり上げることができます。
そして、大きな課題にともに答えを出せるその力こそが、ダナンの競争優位を生み出すのです。
専門的な商品群でも同じことが言えます。
海外のゴルファーに必要なのはゴルフ場だけではありません。適切なティータイム、便利な交通、十分に近いリゾート、食事の選択肢、疲れを癒やすスパ、そして同行者向けのプログラムが必要です。
ウエディンググループに必要なのも、美しいビーチだけではありません。数百室の客室、複数の挙式スペース、交通、ケータリング、装飾、エンターテインメント、そして挙式前後のゲスト向けの体験が必要です。
ウェルネス客もまた、スパのトリートメントひとつを買うだけではありません。競争力のある商品には、長期滞在、ヨガ、栄養、セラピー、アウトドアアクティビティ、文化体験を組み合わせる必要があるかもしれません。
どの場合も、価値は単独で際立つ優れたサービスひとつから生まれるのではありません。
価値は、多くのサービスがともに一貫した体験をつくり出す力から生まれます。
これこそ、バイヤーが次のシーズンに向けて目的地を評価する際に見ている点です。
観光商品の捉え方における注目すべき変化のひとつは、かつて脇役とみなされていたサービスが、ますます全体の体験を左右するようになっていることです。
地元の料理が旅で最も心に残る思い出になることがあります。新しい観光施設が、バイヤーにとってプログラムを刷新する理由になることがあります。優れた交通ルートが旅程をゆとりあるものにすることがあります。ユニークな文化体験が、ダナンを域内の他のビーチリゾートと差別化することもあります。
そのため、F&B、観光施設、交通は、もはやツアーの「空白を埋める」だけの存在ではありません。
これらは、商品の差別化を可能にする構成要素なのです。
これは中小企業にとっても大きなチャンスを開きます。レストラン、輸送会社、体験事業者、地域の観光施設は、海外の顧客を直接抱えていないかもしれません。それでも、ツアーオペレーターやホテルが市場に送り出すパッケージにおいて、欠かせない一部になり得ます。
関係者がともに完成されたパッケージをつくれば、その恩恵はバイヤーだけのものではありません。
よく設計された商品は、旅行者の滞在を延ばし、消費を増やし、より多くのサービスの利用につなげることができます。
ビーチで2泊するだけの旅行者は、一定の価値を生み出します。しかし、ゴルフのためにもう1日滞在し、ウェルネスのセッションを加え、地元のレストランで食事をし、文化体験に参加すれば、同じ1回の来訪がもたらす価値は大きく変わります。
注目すべきは、その上積みされた価値が一か所に集中しないことです。
ホテルが恩恵を受けます。
レストランが恩恵を受けます。
ゴルフ場が恩恵を受けます。
輸送会社が恩恵を受けます。
観光施設や体験事業者も恩恵を受けます。
だからこそ、サプライチェーンでの協力は目的地の長期的な成長にとって重要なのです。来訪者の数を増やすだけでなく、1回1回の来訪がより幅広い価値を生むようにしてくれるからです。
DITFで最も価値あるチャンスのひとつは、ネットワーキングの最中に商品がかたちになり得ることです。
MICEのニーズを持って来場したバイヤーは、会場(ベニュー)との商談から始め、その後ホテル、輸送会社、ガラ会場、チームビルディング事業者へとつながることができます。
ゴルフ専門のツアーオペレーターは、まずリゾートと会い、そこからゴルフ場、輸送会社、ウェルネスサービスへとつないでもらうことができます。
ウエディングのバイヤーは、最初はひとつの要望を携えて来場し、帰るときにはプログラムをともに運営できるパートナー一式を手にしているかもしれません。
そうなれば、ネットワーキングはもはや連絡先の交換だけではありません。
それは、具体的なビジネスニーズを軸にサプライチェーンを組み上げるプロセスになります。
企業がDITFをどう捉えるべきかも、まさにここにあります。
「このバイヤーに何を売れるか?」と問うだけでなく、
「このバイヤーが本当に買いたいと思う商品をつくるには、誰と組む必要があるか?」とも問うべきです。
2027年に向けてダナンを検討する海外バイヤーは、各企業を別々の枠の中で見ることはないでしょう。
彼らが見るのは旅全体です。
航空路線は便利か?
宿泊の選択肢は十分か?
MICEの受け入れ能力は十分か?
旅程を延ばせるだけのゴルフ、ウェルネス、食、エンターテインメント、体験はあるか?
移動はスムーズか?
ホイアン、フエ、そしてベトナム中部の他の目的地とどう結びつけられるか?
各企業が答えられるのは、こうした問いの一部にすぎません。
本当の競争力は、エコシステム全体がともにひとつの完全な答えを示せたときに生まれます。
それこそが、DITFで航空、旅行会社、ホテル、観光地が同じテーブルにつくことの最大の意義でもあります。各社が自社のサービスをもうひとつ売るためではなく、海外市場が売りたいと思い、旅行者が買いたいと思い、そしてより多くの価値がダナンに残るような旅を、ともにつくり出すためなのです。

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